マンションで給湯器が故障した際、どこに依頼すればいいのか、費用はどれくらいかかるのかと迷われる方は少なくありません。戸建てとは異なり、マンションには管理規約や設置場所の制約があるため、依頼先の選び方がそのまま工事のスムーズさに直結します。
この記事では、賃貸・分譲それぞれの正しい連絡先から、依頼先5選の比較、費用相場と内訳、費用を抑えるコツ、パイプシャフト(PS)設置やベランダ壁掛といったマンション特有の設置条件、そして信頼できる業者を見極めるポイントまで、実践的な情報を網羅的に解説します。
給湯器交換で失敗しないための知識を身につけ、安心して依頼できる業者を見つけましょう。
賃貸マンションなら管理会社または貸主、分譲マンションなら自分で選んだ交換業者が依頼先になります。最も重要なのは、最初の連絡先を間違えないことです。賃貸と分譲では対応が大きく異なり、賃貸で入居者が独断で業者を手配すると、後々トラブルに発展するリスクがあります。
賃貸マンションの給湯器は貸主の所有設備です。そのため、不具合が生じた場合は、まず管理会社または貸主へ連絡するのが原則となります。
経年劣化による故障であれば、通常は貸主が修理・交換費用を負担します。一方、入居者の過失による破損は自己負担となるのが一般的です。入居者が独断で業者を手配して交換を進めた場合、費用を全額請求されたり、契約違反を問われる可能性があるため注意しましょう。
連絡時には以下の情報を伝えるとスムーズです。
業者は管理会社が手配してくれるため、基本的に入居者自身で探す必要はありません。
分譲マンションの給湯器は専有部分の設備にあたるため、所有者が業者を自由に選んで交換できます。ただし、給湯器がベランダや共用廊下など共用部分に設置されている場合、交換前に管理組合または管理会社への届け出や承認取得が必要になるケースがほとんどです。
特に以下の場合は事前確認が必須です。
管理規約に違反すると、工事が中止になったり、原状回復を求められることもあります。真冬にお湯が出なくなったなど緊急を要する場合は、管理組合への連絡と並行して業者への問い合わせ・見積もり取得を進めておき、正式な契約は承認後に行うのが安全です。

マンションの給湯器交換を依頼できる業者は多岐にわたります。ガス会社、給湯器メーカー、給湯器専門業者、家電量販店、水道修理業者と、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。「安心して任せたい」「費用を抑えたい」「急いで交換したい」など、優先する条件によって最適な依頼先は変わります。
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依頼先 |
価格 |
安心感 |
対応スピード |
機種選択肢 |
|
ガス会社 |
やや高い |
◎ |
△ |
△ |
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メーカー |
高め |
◎ |
△ |
× |
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専門業者 |
安い |
○ |
◎ |
◎ |
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家電量販店 |
中程度 |
○ |
△ |
○ |
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水道業者 |
ばらつき |
△ |
◎ |
△ |
東京ガスや大阪ガスなどの都市ガス会社、または地域のプロパンガス会社です。ガス機器の専門知識が豊富で、安全対策にも精通しています。
メリット
デメリット
費用よりも安心感を優先したい方、長年利用しているガス会社に任せたい方に向いています。
リンナイ、ノーリツ、パロマなど、給湯器を製造するメーカーです。自社製品に関する知識が最も豊富で、純正部品で対応してもらえます。また、メーカーへ相談した場合、交換工事そのものは提携施工店や販売店を案内されることが一般的です。
メリット
デメリット
現在と同じメーカーの最新機種にこだわりたい方に向いています。
複数メーカーの給湯器を扱う専門業者です。インターネット販売を中心に展開している会社が多く見られます。
メリット
デメリット
コストパフォーマンスを重視する方、複数メーカーを比較検討したい方に向いています。
ヨドバシカメラ、ビックカメラ、カインズなど、実店舗で給湯器を販売している小売店です。
メリット
デメリット
実物を確認してから購入したい方、ポイントを活用したい方に向いています。
水回りトラブル全般に対応する地域密着型の業者です。給湯器からの水漏れなど、水のトラブルと同時に対応できます。
メリット
デメリット
給湯器からの水漏れなど、水回りトラブルが同時発生している方に向いています。
「管理会社から業者を紹介されたけれど、もっと安いところに頼みたい」という声は少なくありません。指定業者以外に依頼できるかどうかは、物件の所有形態と管理規約次第です。
分譲マンションの給湯器は専有部分の設備であるため、どの業者に依頼するかは所有者が自由に決められるのが原則です。管理会社から系列の業者を紹介されることはありますが、それはあくまで提案であり、必ずしも従う義務はありません。
紹介された業者の見積もりが相場より高いと感じたら、専門業者などにも相談して比較検討して問題ありません。ただし、共用部に設置されている場合の届け出や承認取得は、依頼先を変えても必要です。
一方で、以下のようなケースでは業者や機種が実質的に指定されることがあります。
なお、賃貸マンションでは給湯器は貸主の所有設備となるため、入居者が依頼先を選ぶことは原則できません。管理会社または貸主へ連絡し、案内された手順に従いましょう。
分譲マンションでは管理規約を確認し、指定業者以外への依頼が可能か不明な場合は、管理組合または管理会社へ問い合わせてください。
指定業者以外に依頼できるか判断がつかない段階でも、見積もりの取得だけは先に進めておくと有利です。相場感がつかめるため、紹介された業者の金額が適正かどうかを判断でき、承認が下りた直後に工事を依頼できるので復旧も早まります。
見積もりは無料の業者が多く、管理組合の承認前でも、既存機種の型番や設置場所の写真を送ることで概算見積もりを取得できる場合があります。ただし、現地調査や共用部への立ち入りが必要な場合は、事前に管理会社へ確認しておきましょう。
見積もりの段階では契約義務は発生しませんし、取得した見積書は機種名や工事内容が記載されているため、管理組合への届け出時にそのまま添付できる点もメリットです。
マンションの給湯器交換にかかる費用は、機能や設置方式によって大きく変動します。一般的な相場は10万円~40万円ですが、給湯専用・ふろ給湯・ふろ給湯暖房といった機能の違いや、従来型かエコジョーズかによっても価格帯が異なります。また、本体価格だけでなく工事費・撤去処分費・出張費など複数の費用が発生するため、見積もりの内訳を正確に理解することが重要です。
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タイプ |
従来型 |
エコジョーズ |
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給湯専用 |
10万~17万円 |
13万~20万円 |
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ふろ給湯(オート) |
15万~25万円 |
18万~30万円 |
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ふろ給湯(フルオート) |
17万~28万円 |
20万~33万円 |
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暖房機能付 |
25万~35万円 |
28万~40万円 |
※上記は給湯器本体・標準交換工事費を含む一般的な目安です。リモコン交換、PSアダプター、排気部材、配管延長などが必要な場合は追加費用が発生します。
給湯専用タイプは、キッチンやシャワーへの給湯のみを行うシンプルなタイプで、最も安価に交換できます。
ふろ給湯タイプは自動お湯はりや追い焚き機能を搭載したもので、湯量の自動足し湯や配管洗浄まで行えるのがフルオートです。
ふろ給湯暖房タイプは浴室暖房乾燥機や床暖房にも対応するため、価格帯は最も高くなります。
なお、エコジョーズは本体価格こそ高いものの、排気熱を再利用して効率よくお湯をつくるため、ガス代の削減が期待できます。長く住む予定であれば、初期費用差を回収できるケースもあります。
給湯器交換費用は、以下の項目で構成されています。
業者によって見積もり項目の立て方は異なります。「工事費込み」「リモコン代別」など、何が含まれているかを必ず確認しましょう。
以下の場合、標準工事費に加えて追加費用が発生する可能性があります。
事前の現地調査で、追加費用の有無を確認しておくことが重要です。

給湯器交換は10万円を超える出費になるため、少しでも費用を抑えたいところです。ここでは、品質を落とさずにコストダウンする3つの方法を紹介します。
最も効果が大きいのが相見積もりです。同じ機種・同じ工事内容でも、業者によって数万円の差が出ることは珍しくありません。3~5社から見積もりを取り、価格だけでなくサービス内容や対応も含めて総合的に比較しましょう。
比較する際は、本体価格・工事費・撤去処分費・保証内容をそろえた「総額」で見ることがポイントです。安く見える見積書でも、リモコン代や処分費が別計上になっていることがあります。
高効率給湯器であるエコジョーズなどを対象に、補助金制度を設けている自治体もあります。国の省エネ関連事業の対象になるケースもあるため、交換前に居住地の自治体ホームページを確認してみましょう。
ただし、マンションのガス給湯器単体交換が必ず対象になるわけではなく、対象機種・工事内容・申請時期などの条件が定められています。
すべての自治体に制度があるわけではなく、予算上限に達すると受付が終了することにも注意が必要です。工事前の申請が条件となっている制度が多い点もおさえておきます。申請手続きに慣れた業者であれば、代行やサポートを行ってくれる場合もあります。
給湯器はモデルチェンジのサイクルがあり、型落ちモデル(旧型番)は新型より安く購入できます。基本的な給湯性能は新型と大きく変わらないことが多く、在庫があればコストを抑える有効な選択肢です。
一方で、在庫限りのため希望の機種が手に入るとは限らず、部品供給期間が新型より短くなる点は理解しておきましょう。最新の省エネ性能や機能にこだわらない方に向いた方法です。
マンションの給湯器交換では、戸建てにはない設置条件の制約があります。設置場所・排気方式・ガス種・号数の4点を事前に確認しておかないと、間違った機種を選んで設置不可となり、無駄な出費につながります。
なお、交換のタイミングそのものに迷っている方は、給湯器の交換タイミングは何年?寿命の目安・故障サイン・費用の賢い判断基準もあわせてご覧ください。
マンションの給湯器設置場所は、主にPS(パイプシャフト)設置とベランダ壁掛の2パターンです。
パイプシャフト(PS)設置の注意点
PS内は扉で囲まれた狭いスペースのため、機種サイズや扉内寸法の確認が必須です。特に最新機種はサイズが異なる場合があり、「給湯器が入らない」「通気スペースが確保できない」といったトラブルが発生しやすくなります。PS扉内前方排気型・後方排気型・上方排気型など、設置状況に応じた専用機種を選びましょう。
ベランダ壁掛の注意点
ベランダやバルコニーの壁面に設置するタイプです。窓(開口部)との距離や強風の影響を考慮した機種選びが重要になります。標準タイプとスリムタイプがあり、スペースが限られている場合はスリムタイプを選択します。
マンションでは、建物構造や管理規約によって使用できる排気方式が定められています。主な排気方式は次のとおりです。
排気方向や距離は法令および管理規約で制限されているため、既存給湯器と同じ排気方式の機種を選ぶのが基本です。変更する場合は必ず管理組合の承認を得ましょう。
給湯器は都市ガス用とプロパンガス(LPG)用で仕様が異なります。間違えると使用できず、安全上の問題も発生します。
交換時は必ず同じガス種の機種を選びましょう。
号数は給湯能力を表す数値で、水温を25℃上昇させたお湯を1分間に何リットル出せるかを示します。マンションでは16号・20号・24号が一般的です。
現在の号数で不便がなければ、同じ号数への交換が最もスムーズです。号数を上げる場合はガス管の口径や電源容量、管理規約上の制限が関わるため、必ず事前に業者と管理組合へ確認しましょう。
実際に給湯器を交換する際、どのような手順で進むのかを把握しておくと、復旧までの見通しが立てやすくなります。賃貸と分譲では初動が異なります。
入居者が費用を負担するケースは限られるため、独断で業者を手配しないことが最大のポイントです。連絡から工事完了までは、部材の在庫状況にもよりますが数日~1週間程度が目安となります。
見積もり取得と届け出を並行して進めると、復旧までの時間を短縮できます。承認に日数を要する管理組合もあるため、早めの着手が有効です。
給湯器本体の交換工事にかかる時間は、おおむね3~5時間です。同じ設置場所・同じ排気方式であればより短時間で終わることもありますが、配管の変更やPS扉内ケースの交換を伴う場合は半日以上かかることもあります。
工事中はガス・水道が一時的に使用できなくなるため、当日は在宅が必要です。工事後は業者立ち会いのもと、お湯が出るか、追い焚きが作動するかなど動作確認を行いましょう。
給湯器交換は高額な買い物であり、安全性にも関わる工事です。価格の安さだけで選ぶと、無資格者による施工や高額な追加請求などのトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
給湯器の設置には専門資格が必要です。液化石油ガス設備士(LPガス給湯器の設置)、ガス消費機器設置工事監督者(特定ガス消費機器の設置)、ガス可とう管接続工事監督者(都市ガス機器の接続)などを保有しているか確認しましょう。工事内容によっては第二種電気工事士や給水装置工事主任技術者も必要になります。
優良業者は内訳を明確に提示します。本体価格(メーカー・型番明記)、標準工事費の内訳、既存機器撤去・処分費、部材費、出張費が記載されているか確認しましょう。「工事一式」など曖昧な表記は要注意です。
ホームページに施工事例が掲載されているか、PS設置などマンション特有の条件に対応した実績があるか、創業年数や施工件数が明記されているかを確認します。
メーカー保証の内容と期間、業者独自の工事保証の有無、無償点検サービス、サポート窓口の対応時間をチェックします。10年程度の長期保証がある業者は安心です。
Googleレビューや口コミサイトに加え、問い合わせ時の対応も判断材料になります。質問に丁寧に答えるか、専門用語をわかりやすく説明するか、強引な営業をしてこないかを見ましょう。
相場より大幅に安い業者には、無資格者による施工、粗悪な部品の使用、後からの高額な追加請求、アフターフォローなしといったリスクが潜みます。
また、優良業者は複数社での比較検討を歓迎します。相見積もりを嫌がる業者や、その場での即決を迫る業者は避けましょう。適正価格の範囲内で、サービス内容とのバランスを見て判断することが大切です。
マンションの給湯器交換は、賃貸なら管理会社・貸主、分譲なら自分で選んだ業者が依頼先になります。分譲でも共用部に設置されている場合は管理組合への届け出が必要です。費用相場は10万円~40万円と幅がありますが、相見積もりや補助金の活用、型落ちモデルの選択で抑えることもできます。PS設置やベランダ壁掛といった設置条件、排気方式、ガス種、号数を事前に確認し、有資格者の在籍・明確な見積もり・豊富な施工実績・充実した保証を備えた業者を選びましょう。
マンションの給湯器交換でお困りの方は、お気軽にご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、お客様のマンション環境に最適な給湯器選びから施工まで、安心のサポートをご提供いたします。